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 エコ電線
 環境にやさしい電線とは
1・はじめに
私たちの住んでいる地球は、オゾン層破壊、地球温暖化、廃棄物処理など、多くの環境問題をかかえています。
このかけがえのない地球を守り、美しい自然を後世まで残すためには様々な活動がなされ、環境型経済社会の構築が目指されています。


2・地球にやさしい電線とは
環境にやさしい電線とは、焼却処理時でダイオキシンなどの有害物質の発生原因とされているハロゲン元素、埋め立て処分時に溶出が懸念される鉛などの重金属を含まない等、環境負荷を配慮した電線です。
 *ハロゲン元素:フッ素(F)、塩素(CI)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、アスタチン(At)

3・エコ電線関連の規格動向
(1)絶縁電線、ケーブル
建設省営繕部設備課の要望により、日本電線工業会規格として次が平成10年9月付けで制定されました。

規格 名称 記号 関連電線
JCS第416号 600V耐熱性ポリエチレン絶縁電線 EM−IE IV
JCS第417号 600V耐熱性架橋ポリエチレン絶縁電線 EM−IC IC
JCS第418号 600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル 600V EM−EE VVR
JCS第418号 600Vポリエチレン架橋絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル 600V EM−CE CV
JCS第418号 600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平型 600V EM−EEF VVF
JCS第419号 制御用ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンケーブル EM−CEE CVV
JCS第419号 制御用架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンケーブル EM−CCE CCV
(2)コード
電気用品取締法技術基準にて、絶縁材料を塩化ビニル混合物に限定されているため、コードについては、基準改正が必要になっています。
そこで、関連工業会の要請により日本電線工業会において原案作りを平成11年末目標に実施していたが、基準改正には時間がかかると想定されています。

4・エコ電線関連基準
エコ電線関連の基準はポリエチレン電線が基準になっています。
尚、エココード基準策定においても同基準を基に検討が為されています。
項目 特性
絶縁体の引張り 引張強さ 10MPa以上
同上 伸び 350%以上
加熱90℃/96時間 引張強さ 加熱前の値の80%以上
同上 伸び 加熱前の値の65%以上
加熱変形75℃/0.5時間 厚さの減少率10%以下
難燃性(JIS傾斜) 60秒以内で自然に消えること
*発煙濃度 150以下
*燃焼時発生ガスの酸性度 pH3.5以上であること

5・エコ材料
エコ電線に使用される絶縁、シース材料には、PE、PP、EVA等のオレフィン系樹脂、熱可塑性エラストマー及びゴムが主に検討されていますが、多くが可燃性である為難燃剤の使用が不可欠になります。
しかし、難燃剤の添加は、物理特性の低下につながり、いかにしてこの低下を防ぐかが開発のポイントになっています。

6・難燃化の方法
難燃化の方法は、次の方法に大別され、(1)(2)に代表されるハロゲン系難燃剤による難燃化については比較的少量の添加で高い難燃性を発揮するが、燃焼時に有毒なハロゲンガスが発生し、発煙量が非常に多い為エコ電線には適さない。
したがって、無公害、低発煙性にかなう方法として(3)の無機金属水和物を多量に充鎮する方法が主体となっています。
(1)可燃物の分解によって起こるラジカル反応の停止剤を添加する
→ハロゲン系難燃剤を添加
(2)酸素の供給を停止する物質を添加する
→リン系、ハロゲン系難燃剤を添加
(3)熱吸収物質を添加する
→無機金属水和物の添加

7・難燃剤(無機金属水和物)
エコで電線に使用される難燃剤として水酸化アルミニウム:AI(OH)3、水酸化マグネシウム:mg(OH)2、水酸化カルシウムCa(OH)2が使用される。
名称 吸収量Cal/g 分解温度℃ 酸素指数 成形性
水酸化アルミニウム 470 200 26.3 発泡*
水酸化マグネシウム 312 312 26.5 可能
水酸化カルシウム 222 222 22.5 可能
  *分解温度が低い為押出時に発泡する
難燃剤の添加に比例し、難燃性が向上するが、多量に添加されるため抗張力が低下する。
これは、難燃剤とベースポリマーの界面の接着力によると考えられており、改質剤に無機系のカップリング剤が使用される。